初雪
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作品データ
油彩画(カンヴァス・油彩)
制作者
:
香田 勝太(こうだ かつた)
制作年
:
1932
年
サイズ
:
130.5cm × 207.5cm
所 蔵
:
鳥取県立美術館(
公式サイト
)
解説文
:
里山の竹林に初雪が降った様子を描いた作品。羽を丸く膨らませて寒さをこらえようとする雀の姿が愛らしい。香田は日本的な洋画(油絵)を追求しようとした鳥取県出身の画家で、ヨーロッパでも絵画を学んだ。裸婦やフランスの風景などさまざまなモチーフを描いたが、日本の豊かな自然を屏風のような構造の大画面の作品で多く表現したことで知られる。本作はそのうちの1点である。
選定者情報
氏 名
:
戸村 巴月
学校名
:
鳥取短期大学
学 科
:
生活学科 住居・デザイン専攻
紹介コメント
この絵は、冬の静寂を描きながらも、その中に宿る温もりと生命力を繊細な筆致で表現した作品です。雪景色は単なる一色ではなく、陰影や質感の変化によって冷たさの中にも柔らかさを感じさせます。特に印象的なのは、枝に寄り添う二羽の雀の姿です。降り積もる雪の中、互いの温もりを分かち合うかのようなその佇まいは、静かな冬の風景に生命の息吹をもたらしています。画面全体を包む静寂は決して重苦しくなく、むしろ穏やかで安らぎに満ちています。(2025年3月)