かこうほうえんず
花果方円図
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作品データ
日本画(絹本・著色)
制作者
:
沖 一峨(おき いちが)
制作年
:
江戸期
サイズ
:
44.5cm × 62.5cm
所 蔵
:
鳥取県立博物館(
公式サイト
)
解説文
:
円形や方形の紙形を切って貼り合わせたような画面に、茄子や朝顔、ニガウリが描かれ、枝豆の先には一匹のバッタが留まっている。丸まった葉には陰影がつけられ、艶やかで張りのある茄子はみずみずしく、画中に爽やかな雰囲気が充溢している。円窓のまわりにうっすらと金泥を刷き円形を際立たせ、二次元の空間に奥行きを表出する一方、方形の紺紙が画面を引き締めている。小品ではあるが、完成度の高い作品である。
〔出典:沖一峨 -鳥取藩御用絵師-/鳥取県立博物館〕
選定者情報
氏 名
:
山根 未結
学校名
:
鳥取短期大学
学 科
:
生活学科 住居・デザイン専攻
紹介コメント
「花果方円図」は、二つの図形の絵が一つの絵として描かれているユニークな作品です。方円とは、四角と丸のことです。四角は、一種類の花が紺色を背に描かれていて、淡い桃色の花の柔らかさが際立ちます。丸は、ナスやアサガオなどの植物が描かれています。また、たくさんの豆や虫も生き生きとして存在し、全体的に豊かさを感じます。一つの絵としてみると、その調和が面白いです。しなやかな四角と活発な丸の対照性を楽しめる作品です。(2025年3月)