
令和7年9月4日(木)、本学シグナスホール大講義室にて、「とっとりプラットフォーム5+α」共同FD・SD研修会を開催しました。
この研修会は、県内の5つの高等教育機関と自治体および経済・医療福祉団体等が連携・協力し、鳥取県の高等教育および地域の活性化を図ることを目的として、とっとりプラットフォーム5+αが主催しています。今年度で8年目を迎えるこの研修会は、本プラットフォームの主要な取り組みのひとつとして、これまでさまざまなテーマで研修を行ってきました。今年度は、鳥取県教育委員会が近年精力的に取り組み、全国的にも注目されている「ふるさとキャリア教育」について、鳥取県教育委員会 教育次長 下田智美氏を講師にお招きし、「鳥取県におけるふるさとキャリア教育」と題し、ご講演いただきました。
「ふるさとキャリア教育」は、鳥取県教育委員会が中心となり、学校と地域が一体となって推進している教育施策で、地域の魅力を学ぶ「ふるさと教育」の視点と、自らの生き方やあり方について考える「キャリア教育」の視点を合わせた取り組みです。
講演では、「あなたの心の中にあるふるさとは・・・」という問いかけから始まり、下田教育次長の体験談も交えながら、ふるさとへの愛着についてお話いただきました。さらに、ふるさとキャリア教育推進の背景や目的、人口減少や若者流出という地域課題を踏まえ、子どもたちが「心の中に大切なふるさとを持ちながら自分らしい生き方を切り開いていく」ことの重要性が語られました。また、この教育がめざす4つの人間像や幼児期から高校段階までの発達に応じた系統的な取り組みの実践例も紹介されました。
続いて行われたトークセッションでは、「ふるさとキャリア教育と地元鳥取」をテーマに、パネリスト5名(下田氏、鳥取看護大学 看護学部看護学科 教授 土居裕美子氏、鳥取看護大学 看護学部看護学科 教授 田中響氏、鳥取短期大学 地域コミュニケーション学科 教授 渡邊太氏、鳥取短期大学 地域コミュニケーション学科2年 油谷瑞季氏)が登壇。土居氏による進行のもと、ふるさとキャリア教育を経て育った若者の成長や、大学・社会で果たすべき役割について意見が交わされました。
学生の油谷氏は、自身の体験をとおして「自分から動けば挑戦の機会が多くある」ことを実感し「地域で得た経験が自己肯定感につながった」と述べました。さらに、「地域でのさまざまな活動を通じて自分のことがすごく好きになった」ことが鳥取に残りたい理由だと語り、会場全体に共感を呼びました。田中氏や渡邊氏からは「地域の中で挑戦・活躍すること」や「地域の方とともに学ぶこと」の重要性が語られ、「主体性や柔軟性をもって動くことで、地域にいながらもグローバルな視点を育むことができる」等の意見もありました。
今年度の研修会は、会場受講およびアーカイブ配信にて実施し、本プラットフォーム参画団体の教職員および一般の方、あわせて116名が参加しました。
研修会後、参加者から「子どもたちがふるさとに誇りを持ち、心豊かでたくましい『ふるさとの未来を担う人材』を育成することの大切さを痛感した」「活き活きとした成長している学生の姿に、教育の意欲がわいた」といった感想が寄せられました。
とっとりプラットフォーム5+αでは、今後も地域のさらなる発展をめざして、有意義な情報を提供できる研修会の企画・運営に努めていきます。
△下田智美氏による講演会の様子
△トークセッションの様子