鳥取県立博物館と連携し、授業で「対話鑑賞」を体験しました
地域コミュニケーション学科の1年生の必修科目「交流とホスピタリティ」では、鳥取県立博物館にご協力いただき、授業の一環として「対話鑑賞」について学んでいます。対話鑑賞は、対話を通じて作品の理解を深める鑑賞法で、コミュニケーション教育やビジネス分野での活用が進められています。6年目となる令和6年度前期は、5回にわたり「対話鑑賞」の授業を行いました。
第1回目は、令和6年6月5日(水)に鳥取県立博物館主催「コレクション宅配便」で博物館所蔵の美術品を鑑賞しました。博物館の学芸員の方々にファシリテーションをしていただき、「対話鑑賞」がどのようなものなのかを体験しました。
美術館や博物館に行ったことがあるという学生も、普段は静かに鑑賞することになれており、今回のように対話をしながらアートを見ることで、作品に対しても一緒に鑑賞した人に対しても新しい気づきがあったようです。「対話鑑賞」の重要なポイントでもある、人によって見方が違うこと、それに気づくことで新しい考え方や見方ができることを実感し、学生は初めての「対話鑑賞」を楽しんでいました。
第2回目は、6月12日(水)にファシリテーターについての講義を中心に授業を行いました。
まず、「対話鑑賞」がどういうものなのかを博物館の学芸員の方々に教えていただき、ファシリテーターに必要な力である「きくこと」についても学びました。
第3回目は、6月19日(水)に県立博物館から持ってきていただいたレプリカを用いてファシリテーション体験を行いました。第2回目に学んだファシリテーションのことを思い出しながら、グループに分かれ、学生がファシリテーター役となる「対話鑑賞」に挑戦しました。最初は緊張しながらファシリテーターをしていた学生も、グループのメンバーの言葉にしっかり耳を傾けながら話を引き出していました。作品についてさまざまな解釈や考えを聞くことができ、改めて自分一人ではないからこそできる多様な見方の面白さを学生は楽しんでいたようです。
第4回目は、第5回目に小学生と行う「対話鑑賞」のリハーサルのため、7月3日(水)に県立博物館を訪れました。現在開催中の「アートって、なに? ~ミュージアムで過ごす、みる・しる・あそぶの夏やすみ」を学芸員の方に説明していただきながら鑑賞し、「対話鑑賞」や小学生と観るためのポイントを教えていただきました。
第5回目は、7月10日(水)に県立博物館にて、県内の小学校2校の子どもたちと「対話鑑賞」を行いました。学生がファシリテーターとなり、小学生たちと「アートって、なに?」の展示を鑑賞しました。元気な小学生たちに戸惑っていた学生も、一生懸命に話を聞いたり、何がしたいのかを理解しようとしたり、がんばっている姿勢が印象的でした。
【学生の感想】
・小学生とかかわる機会がほとんどなかったのでとても緊張しました。小学生はこんな小さな体にたくさんのパワーが詰まっているのか・・・と、とても驚きました。また自分の思ったことを素直に言葉にしてくれたので作品を回るうえでとても助かりました。小学生の柔らかな視点に驚くことが多かったです。私たちの対話鑑賞で少しでも小学生のみんながアートや博物館、美術館に興味を持ってくれたらうれしいと思います。
・小学生と話しながら作品を見るのは初めての経験だったので、楽しかったし、子どもなりの視点が、私たちには無い考えだったので、それも含めていろんな刺激がありました。
・子どもと話すのは苦手だったけれど、グループの子は素直で笑顔で話をしてくれたので楽しかったです。実際に子どもへファシリテーターをするのはとても難しく、考えるときが多くあったけど、この経験ができて良かったと思いました。
・今回の授業をとおして、小学生は感性が豊かで、作品をいろんな角度から見ていてすごいなと思いました。新鮮な意見がさまざま聞けて、良い機会になりました。
・小学生は最初遠慮しているのかとても静かで落ち着いていました。でもやっていくうちに楽しくなったのか、落ち着きがなくなり、楽しんでいていいなと思ったけど、走りだしたりして、注意をすることでなんとか見守ることができました。「楽しかった」といってくれて、とても疲れたけどいい経験になったので良かったです。またやりたいようなやりたくないような複雑な気持ちです。