研究紀要 85号


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第85号 2022年7月1日刊行 紀要一覧へ
タイトル A市住民を対象とした特定健康診査受診の要因等に関する質的研究
Qualitative Research on Such Factors as Specific Health Checkups for A City Residents
著作者 細田 武伸・稲田 千明・矢倉 紀子
Takenobu HOSODA, Chiaki INADA, Noriko YAKURA
ページ 1-13
概要 A市B地区の7名の男性住民を対象に特定健診・特定保健指導の受診に関連する要因等をグループインタビュー方式で尋ね,録音記録をKJ法で分析した.その結果,特定健診の受診に関する要因として,【特定健診の受診には,意識改革,指導効果の実感,初回受診がポイントになる】,【特定健診の目的が達成されていない状況がある】,【健診受診率を高めるためには小地域単位での地域への働きかけが効果的である】,【特定健診を受けない理由として健診体制の不備がある】,【特定健診で病気がみつかることへの不安があるため受診しない】,【かかりつけ医を頼っていれば十分である】,【老いや健康などに対する価値観の違いがある】の7つの島が抽出された.これらより,受診しなければいけないという意識と受診し良かったという体験が,受診の動機に繋がっていることが考えられた.その一方で,老いや健康に関する価値観は受診を阻む要因ともなることが考えられた.
キーワード 特定健康診査 特定保健指導 市町村国保 受診率 男性
タイトル 直接行動と民主主義 ―抗議行動の戦術をめぐって―
Direct Action and Democracy An Essay on the Tactics of Protest
著作者 渡邊 太
Futoshi WATANABE
ページ 15-27
概要 本稿では,近代民主主義における直接行動の意義を確認する.近代の代議制民主主義では「民主主義イコール選挙」のイメージが強いが,デモや集会などの直接行動は議会に対する圧力として重要である.2010 年代日本の直接行動では「普通の人たち」の参加が強調されたが,1960 年代の直接行動を見ると大衆のラディカリズムが強烈だった.既存の秩序を打破するラディカリズムが宿る直接行動には,代議制民主主義に緊張感を与える役割が期待される.
キーワード 民主主義 直接行動 社会運動 デモ 政治
タイトル 自律走行AIロボット用画像認識アルゴリズムについて ―ResNetの応用―
An Implementation of Residual Network for Rapid Image Recognition Which an AI Car Can Run the Course by Itself
著作者 野津 伸治
Shinji NOTSU
ページ 29-35
概要 任意のコースを搭載するカメラで取得した映像から自律走行するAIカーの画像認識を深層学習の畳み込みニューラルネットワークの一つ Residual Network の実装のための理論的なまとめを行った.
キーワード 深層学習 畳込層 ポーリング層 Residual Network
タイトル 〈研究ノート〉
家庭料理を伝え継ぐための課題について ―醤油の使い分けに着目して―
The Problem to Home Cooking Convey to the Next Generation
― Analysis of How Soy Sauce is Used ―
著作者 板倉 一枝
Kazue ITAKURA
ページ 37-46
概要 鳥取県の家庭料理に関する郷土資料から,料理に使用される醤油の種類について調査を行った.醤油を利用する料理のうち,「濃口」や「淡口」などの具体的な表記は全体の4分の1程度であり, 多くは「醤油」とだけ表記されていることが確認できた.醤油の種類が多様化している現状を踏まえると,より言語化された具体性のあるレシピにすることが必要であるとともに,一方で,何を誰に伝え継ごうとしているのかを意識するなど,多文化共生的視点の必要性も示唆された.
キーワード 家庭料理 鳥取県 醤油 レシピ 郷土資料
タイトル  〈資料〉
エルサルバドルにおけるリプロダクティブヘルス分野の看護師の技術協力プロジェクト終了後の活動状況
Activities of Nurses in the Field of Reproductive Health in El Salvador After the Completion of the Technical Cooperation Project                                         
著作者 藤原 美智子
Michiko FUJIHARA
ページ 47-60
概要 JICAの看護継続教育プロジェクトの終了後のエルサルバドルの看護師の活動状況および保健統計データを確認した.現地の看護師たちは様々な自立発展的な活動を行っていた.その結果,一次医療施設での看護ケアは大幅に改善された.また,全国レベルでのリプロダクティブヘルス研修が自立運営されている.看護師の思いと行動力,委員会活動が看護ケアの質向上に貢献していることが示唆された.
キーワード 看護継続教育 国際協力 リプロダクティブヘルス
タイトル 〈資料〉
成人看護学実習における実習指導者の指導行動の変化及び学生からの評価 
Changes in Teaching Behavior of Practical Training Instructors in Adult Nursing Practice and Evaluation from Students                         
著作者 村口 孝子・平野 裕美・木村 由里・前田 陽子
Takako MURAGUCHI, Hiromi HIRANO, Yuri KIMURA, Yoko MAETA
ページ 61-72
概要 本研究では,3 年間の成人看護学実習の前後,実習指導者の実習指導行動がどのように変化したのか,また,実際指導を受けている学生が実習指導をどのように評価しているのか調査した.分析した結果から,指導者は学生の理解に努め指導に当たっていたが,学生は指導者が思っている以上に緊張が強く,指導者の指導を十分に受け入れていなかった.指導者は指導が十分にできていないと感じていたが,学生は実践家としての役割モデルとして指導を受け止めていたことが考えられた.
キーワード 指導行動評価 成人看護学実習 臨地実習指導者 学生評価
タイトル 〈論説〉
総合的な学習の時間の有効な活用のために
―学生の体験談から考える総合的な学習の時間の在り方―
An Examination of the Effective Utilization of the Period of Integrated Study
―How We Should Use Time During the Period of Integrated Study Taking into Account the Experiences of College Students―                             
著作者 八田 学・御舩 斎紀
Manabu HATTA, Yoshitada MIFUNE
ページ 73-79
概要 学生の体験を足掛かりに「総合的な学習の時間」を学生に指導してきた.その際,従来からある「特別活動」との違いを「探究」という言葉で,厳格に区別し取り扱ってきたが,それぞれの共通性・違いに鑑みたとき,もっと包括的に「総合的な学習の時間」を捉え,進めていくことの方が多忙を極める現場にとってより有益になるのではないかと考えた.この観点に立って今後の「総合的 な学習の時間」のあり方について考えてみた.
キーワード 総合的な学習の時間 特別活動 探究学習 新学習指導要領

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