助教 石賀 安枝
1.教育に対する責任
私は本学において、主に食生活論、栄養指導論、ライフステージ栄養学など栄養士資格に関わる科目を担当しており、理論および実技の指導をしている。
2.教育の理念
私は、本学の教育活動において、以下の3点を重視している。
3.教育の方法
上述の教育理念を達成するため、例えば「食生活論」では、次のような授業を行っている。
毎回、事前学習を目的としたレポート提出を課している。そのレポートでは、次の授業で取り上げるテーマについて調べて説明し、問題点を自分の言葉で述べ、自分たちがその問題とどう関わることができるのかを提案し記述するものである。
評価は10点満点とし、評価項目は「説明の分かりやすさ」「着眼点」「説得力があるか」「実行のしやすさ」「見やすさ(レイアウト、文字の大きさなど)」の5つからなり、これらを事前に説明することで、レポート作成時における重要ポイントを理解できるよう促している。また、採点時に一人ずつ丁寧にコメントを書くことで、個々人のレベルに合わせた指導を心がけている。
授業では、それぞれのテーマについて、身近なニュースや行政の取り組みなどを取り上げ、当事者意識を持つ習慣づけを行っている。また、レポートが、型にはまりすぎたものや、無難にまとめたものとならぬよう、ユニークな発想や、独自の着眼点を持った意見は、評価点の良し悪しに関わらず、匿名で公開し、自由な発想を引き出すよう努力している。
4.学生による授業評価
5.教育改善への取り組み
学内で開催されるFD研修に参加し、公開授業では、自分の担当科目とは異なる分野の授業を見学することで、授業の組み立て方や学生に興味関心を持たせる工夫などを参考にさせてもらっている。
担当授業において履修前後に科目独自のアンケート調査を行って学生の意識を把握することで、栄養士を目指す学生のモチベーションを維持・向上させるための授業づくりに活かしている。
6.今後の目標
1) 短期的な目標
- 基礎知識の理解をより深めるためのシラバスの見直し
- 即戦力となる学生を育成するための実習内容の充実
2) 中・長期的な目標
栄養士の業務は人を対象としたものであり、対象者のQOL向上に寄与するため、健康的な食行動の習慣化を支援し定着化を図らなければならない。その業務を遂行する場は、医療機関や行政機関、学校、企業、地域などがある。どの施設・機関であっても、自身が獲得した知識を個々の対象者に合わせた形で伝えるという点は共通しており対象者に応じた栄養教育マネジメント能力が問われる。そのマネジメントのひとつが食事管理であり、食事は、食べ物の滋味を味わい、季節を感じ、文化を伝承した「心」をも満たす食事であることが望ましく、単に空腹を満たすだけのものや、栄養バランスを最優先にしたものであってはならない。これが対象者のQOL向上につながるのだということ、また、対象者が傷病者であってもその考え方は同様であるということを担当科目を通じて学生に繰り返し伝えていきたいと考えている。
