准教授 津上 崇

1.教育に対する責任

私は本学において主に音楽教育を担当している。その中でも特に「音楽を楽しむ」「表現する」ことを多く取り入れ、保育士養成課程および教職課程における音楽関連科目の音楽教育に力を注いでいる。全学科教養科目では「芸術」を担当し、専攻外の学生の幅広い知識を得るような講義をおこなっている。

学校法人藤田学院ホームページ「教員紹介2023」

2.教育の理念

私は、本学の教育活動において、以下の3点を重視している。

1) 保育現場で必要な音楽の基礎的理論の理解と技術の習得
2) 音楽を通して幅広い芸術的感性を育む
3) 自ら考え、創造し、応用できる力の育成

3.教育の方法

上述の教育理念を達成するため、例えば1年次前期「音楽Ⅰ」ではさまざまな楽曲に触れるような授業を行っている。多くの学生が童謡・わらべ歌、いわゆる「子どもの歌」の認識が低く、さらにここ数年のコロナ禍において歌を歌うことが少なくなり「歌を歌って表現すること」、「歌を歌う発声器官」が弱くなってきていると感じる。まずは学生が多くの楽曲を通して曲に親しみ、声を出すことに慣れることから実践指導している。実技面以外にも、歌うということ~声の仕組み~楽曲分析など、学びを深め纏めるためのワークシートを活用している。また「保育内容(表現)」では音楽表現にとどまらず造形表現、身体表現も導入し様々な分野の表現を学生1人1人がイメージを持ちようにしている。さらにはそのイメージをグループ活動で話し合い、相乗効果で新たなイメージへと発展させアンサンブルや共同作業を楽しむ力を育成したい。学生自身の発表、表現鑑賞、振り返り、これらの活動を通して表現ついて考察する。

鳥取短期大学ポータルサイト「シラバス検索」

4.学生による授業評価

この4月より就任したので2022年度の授業評価アンケートは前任校のものである。質問項目は表記が異なるものもあるが、①そう思う、②どちらかといえばそう思う、③あまりそう思わない、④そう思わない、の4段階で評価された。ほぼおおよその質問項目で高い水準を得ている。前任校の「音楽Ⅱ」ではあるが「授業内容に興味や関心を持つことができ、理解できるものでしたか。」という項目では「そう思う」81%、「どちらこといえばそう思う」19%、「この授業を受講したことで、授業内容に関する知識や技術などが向上したと思いますか。」という項目では「そう思う」82%、「どちらかといえばそう思う」18%であった。
一方「あなたはこの授業の予習・復習・課題提出などをどれくらいしましたか。」という項目では「週3時間以上」26%、「週1~3時間」43%、「週1時間以内」31%と音楽基礎内容やピアノや歌の技術習得においては事前事後学習に十分に取り組めていない結果が出た。音楽は基礎知識や表現内容論と合わせ技術練習が欠かせないので授業の組み立てや課題の出し方を考える必要があると感じる。本学においてもこれらの結果を活かし、指導にあたるよう精進したい。

5.教育改善への取り組み

学内で開催されるFD研修や授業公開見学には可能な限り参加し、本学教員としての授業向上に努めている。音楽実技、表現という演習では学生の進度の差が大きい。おもに授業以外での自己練習時間の確保、個人での楽器の有無なども関係するが、まずは自らが進んで実践に持っていける授業内容にするため教材研究を行なっている。私自身も「何のために表現するのか」「どのように音を奏でるべきか」ということを常に考え、実技レッスンや講習会に参加、演奏会の実施などで技能を高め授業に活かすよう努力している。授業では言葉での説明に加えプロジェクターで図や写真、要点を示すなど視覚的にも表現することを学生が考えられるよう工夫している。

6.今後の目標

1) 短期的な目標
  1. 学生の「子どもの歌」の認知度をあげ、自ら演奏できるレパートリーを増やす授業をする。
  2. 学生が表現についての理解を深め、保育者としての表現力を引き出すことができるようにする。
2) 中・長期的な目標
  1. 音楽表現を活用し、保育現場や地域との連携をはかり実践できるようにする。
  2. 保育者として自らが見聞を広げ学び(input)、子どもたちや地域の方に表現する力(output)を育成できるような授業を作り上げる。
最終更新:令和5(2023)年8月21日

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