准教授 板倉 一枝

1.教育に対する責任

私は専門である家政学の幅広さを活かし、本学において主にキャリア教育、プレゼンテーション、地域、情報処理に関する科目を担当している。特に地域に関する科目については、学科内の他の教員とともに連名で担当している。

学校法人藤田学院ホームページ「教員紹介」

2.教育の理念

私は、本学の教育活動において、以下の6点を重視している。

1) 教育活動全般を通して学生のキャリア発達を支援すること
2) 科目間の連携を重視し、課外活動を含めた教育課程全体で学修成果を向上させること
3) 学生一人ひとりと向き合い、キャリア発達を支援すること
4) 「考え」「実践」していくような仕掛けをすること
5) 相手の立場に立ち、「聞き手を意識して」話すこと
6) 課題を「自分事」として意識できるよう工夫すること

3.教育の方法

上述の教育理念を達成するため、例えば、1年次後期の必修科目「キャリアデザイン」では、次のような授業の工夫・改善を行っている。
この科目では、ワークブックを使用し自己分析を行った後にグループワークを行う授業形態を多く取り入れているが、自分のライフキャリアを考えるにあたり、将来の目標を考えることや言語化することが難しい学生も少なからずいる。そこで、自分の将来をビジュアル的に表現する手法を平成28年度より取り入れた。自己実現だけでなく他者や社会との関わりについて考えているかどうかといった視点、夢や目標を実現するための手段は検討できているかなどの視点から、作成後に振り返りシートを用いて振り返りを行っている。また授業の中で大学生に求められることとは何かということについて考えるためのグループワークや個人レポートを課しているが、その内容とも比較しながら、社会の一員としての役割についても考えていくようにしている。
成績評価は、定期試験(筆記)30%<キャリアに関する基礎知識>、授業態度30%<主体性や積極性などの取組状況>、提出物40%<レポートや課題の提出状況・内容>を合計して行っている。

鳥取短期大学ポータルサイト「シラバス検索」

4.学生による授業評価

2024年度の授業評価アンケートにおいては4段階評価のうち「あてはまらない」と回答した学生はほとんどの科目において0~2名程度、「あまりあてはまらない」を含めた否定的な回答も、受講人数による違いがあるものの、おおむね3名程度までにとどまっており、良好な結果といえる。特に前期の「地域交流」「プレゼンソフト活用演習」、後期の「社会生活論」「プレゼンテーション演習」についてはほぼ肯定的な回答であった。また項目別にみると、概して「教員の説明や指示は明瞭で聞きとりやすかった」の項目が高評価であった。
全学的な傾向ではあるものの、「予習・復習に積極的に取り組んだ」「到達目標を達成することができた」という項目については、学生の自己評価と科目を担当している教員との間に乖離がみられる点が課題といえる。

5.教育改善への取り組み

文部科学省などから発信される情報はホームページ等で日常的に確認し、教育行政の動向や現代的課題などについて内容理解に努めるようにしている。
学内で行われるFDならびにSD研修会にはほぼ出席しており、教職員全体での問題意識の共有、研修内容の理解を図っている。研修会に出席することが目的ではなく、疑問に感じる点は自身でさらに深く調べる、研修内容について同僚教員と意見交換をする、事後アンケート等でFD委員会へ今後に向けての提案を行うなどしている。
また学科内においても学生情報や学業への取り組み状況の共有、教授法についてのピアレビュー、科目間連携の検討、教育課程改定に向けての検討など、常日頃よりFD活動を行っている。ポリシーの点検、教育課程の改定、カリキュラムマップ・ツリーの点検などにおいては、これらを単なる作業にとどめるのではなく、互いの担当科目の課題などを話し合い、隣接する授業科目との間では授業内容や方法についての連携を模索するなど、教育課程全体をとおした教育改善に取り組んでいる。
授業をより良いものにするため、絶えず学生の状況を見極めながら、授業を構成していっている。一部の科目においては、ルーブリック評価を導入し、学生のパフォーマンス評価と形成的評価を試みている。
また、本学に導入されているGoogle Workspace for Education Plusを積極的に活用するとともに、ICT利活用のリテラシーを高めることを意識するなど、学生の情報処理能力向上に努めている。

6.今後の目標

1) 短期的な目標
  1. 学生へのフィードバックを質的・量的・適時性の面から充実させること
  2. 教授研究のための時間確保
  3. 授業評価アンケート項目の「自分自身について」の評価を上げること
2) 中・長期的な目標
  1. 専門性の深化
  2. 能動的学修に向けた授業改善のさらなる充実
最終更新:令和8(2025)年8月31日

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