研究紀要 49号

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第49号 2004年 06月01日刊行    紀要一覧へ
タイトル 山陰地方における「特別支援教育」施策の展開(第II報)
—地方自治時代の自治体独自施策の試み—
Development of “Special Support Education” Policies in the San—in Region of Japan (Part II)
—The Challenge of Local Government’s Policies at Home Rule Times—
著作者 國本 真吾・澤田 淳太郎
Shingo KUNIMOTO, Juntarou SAWADA
ページ 1−10
概要  前報告では,山陰地方における「特別支援教育」へのシステム転換の状況について,市町村は「特別支援教育」の基本的方向に対する一定の理解を持ちつつも,急速な国の動きに追従することが困難な実態を明らかにした.特にLD等の子どもに対する教育的支援は,制度として確立されるのは今後のことであるが,山陰地方の自治体の中でも,独自に施策を立ち上げて取り組んでいる例が確認された.そこで本稿では,LD等への独自施策を実施している自治体に注目し,訪問聞き取り調査の結果を踏まえて,今後の山陰地方における「特別支援教育」の課題について検討した.
キーワード

特別支援教育 特別ニーズ教育 特殊教育 地方分権 地方自治 システム転換

タイトル 青年期の友人関係のルール認知タイプと個人志向性・社会志向性との関連
The Relationship between Types of Friendship Rules and Individual, Social—Orientedness.
著作者 畠山 寛
Hiroshi HATAKEYAMA
ページ 11−16
概要  本研究の目的は,青年期の友人関係のルール認知タイプと個人志向性,及び,社会志向性との関連を検討することである.その結果,個人志向性P得点と社会志向性P得点において,ルール認知タイプの効果がみられた.個人志向性P得点では基本的タイプの方が一方的タイプよりも高く,基本的タイプの個別化・個性化が示された.また,社会志向性P得点では気遣いタイプと基本的タイプが一方的タイプよりも得点が高く,社会適応や関係性の考慮が高いことが示された.
キーワード

友人関係のルール 個人志向性 社会志向性 青年期    

タイトル 幼稚園教諭に求められる音楽的資質
—保育現場と学生の比較調査をもとに—
Survey Analysis of Musical Abilities Requisite for Kindergarten Teachers
—An Investigation of Junior College Students in the Early Childhood Education Department and Kindergarten Teachers—
著作者 羽根田 真弓
Mayumi HANEDA
ページ 17−30
概要  保育者養成における音楽教育は,保育者を目指す学生の音楽的資質の向上を目的としてきた.しかし依然として保育現場からは学生の益々の音楽的資質の向上が求められている.そこで幼稚園教諭に求められる音楽的資質の向上を具体化していくための手がかりとして,幼稚園現場と幼稚園教諭志望学生に対して音楽的資質に対する意識調査を実施した.比較検討の結果,幼稚園では学生の音楽的資質を強く求めているのに対し,学生の音楽的資質に関する意識が低く,両者の間に大きなギャップがあることが明らかにされた.
キーワード

音楽的資質 ピアノ演奏技術習得 うたうこと 歌遊び・手遊び

タイトル 戦後家族法の出発点(2)
—民法改正過程における「家」の論理の諸相—
Starting Point of Post—War Family Law (2)
著作者 浜田 章作
Shosaku HAMADA
ページ 31−43
概要  戦後家族法は,明治民法の改正として成立した.改正過程においては,戦前の「家」制度をそのまま維持しようとする反動的な立場,旧制度に多少の修正を加えるだけで実質的にこれを維持する立場,国民感情にも配慮しつつ旧勢力と妥協して改正の実現を図る立場,法的にも社会的にも旧制度を廃棄して近代的な家族関係を樹立しようとする立場が,それぞれの論理を展開して相争った.その様相を概観する.
キーワード

family law, ‘family’ system, post—war law reform

タイトル 山陰地方の坪庭を中心とした町家空間における夏期温熱環境に関する研究
—温度と気流の変動について—
The Effect of Small Gardens on Reducing Summer Heat within In—home Stores in the San—in Area
著作者 浅井 秀子
Hideko ASAI
ページ 45−51
概要  坪庭空間と連結している屋内空間の温熱環境を把握するために,温度と気流の変動に焦点を絞り,観測を行った結果を報告する.坪庭内の気流の変化は,上空を強い北風が吹いた時,その風圧によって,床下内の冷気が坪庭下層に吸い出され,庇の下部で空気のかくはん現象が起こると推測される.そして発生した冷気が,風下側に吹き込むと考えられるが,風上側との温度差がそれ程大きくないことから,坪庭に発生した冷気を含まない風か,室内に吹き込むまでに温度が上昇してしまったと考えられる.
キーワード

環境共生型住空間 伝統的建造物 温熱環境 蒸暑緩和効果 気流のゆらぎ

タイトル 鳥取県におけるいも類利用の地域性と調理文化
Regional Characteristics and Cu1inary Culture of Potatoes Use in Tottori Prefecture
著作者 板倉 一枝・松島 文子・横山 弥枝
Kazue ITAKURA, Fumiko MATSUSHIMA, Yae YOKOYAMA
ページ 53−61
概要  鳥取県内で食されているいも類について,調理およびいも加工品の利用状況,食事での位置づけ,伝統的料理の特徴と地域特性などに関するアンケート調査および聞き取り調査を行った.調査の結果,いも類ではじゃがいも,さつまいも,さといも,やまのいもが多く用いられていた.いも加工品ではこんにゃく,しらたきなどが用いられており,手作りこんにゃくの加工利用も認められた.境港市におけるさつまいもの利用について,地域特性が認められた.
キーワード

いも類 調理・加工品 地域特性 調理文化 鳥取県

タイトル 女子短大生の1年間の踵骨骨密度に影響を及ぼす因子について
The Factors Affecting the Calcaneus Density in Female Junior College Students during One Year
著作者 亀崎 幸子・大城 等
Sachiko KAMEZAKI, Hitoshi OHSHIRO
ページ 63−71
概要  女子短大生の1年間の踵骨骨密度の変化とその変化に関わる要因として運動状況,食生活との関連について検討した.その結果,骨密度は1年間で有意に減少し,測定後の行動変容との関係では「運動するようになった」,「食事を規則的に摂取するようになった」,「牛乳を飲用するようになった」群は変化率が小さく増加を示した.これらの結果より,毎日の食事に注意し,しかも効果的な運動を行うことによって踵骨骨密度を高め,維持していくことができるものと考えられた.
キーワード

骨密度 経年変化 食生活 行動変容 女子短大生

タイトル 鳥取県中部地区におけるビタミンB6などの摂取状況について
A Discussion of the Vitamin B6 Intake Situation in the Central Area of Tottori Prefecture.
著作者 野津 あきこ・横山 弥枝・池谷 政男
Akiko NOTSU, Yae YOKOYAMA, Masao IKETANI
ページ 73−79
概要  鳥取県内で実施した栄養調査から得られた栄養摂取状況や県内に流通する食品中のビタミンB6を分析することにより,栄養評価や指導の際の考慮点などについての基礎資料を得ることを目的として研究を行った.そして,「健康とっとり計画」に貧血者の減少について目標設定があることから,鉄欠乏性貧血に関連がある栄養素,たんぱく質,鉄,ビタミンCおよびビタミンB6の摂取量について,季節変動や摂取量分布を明らかにした.
キーワード

ビタミンB6 栄養素摂取状況 季節変動 鉄欠乏性貧血 健康とっとり計画

タイトル 〈研究ノート〉
パウル・クレーの絵画
A Study of Paul Klee’s Paintings
著作者 石野 眞
Makoto ISHINO
ページ 81−86
概要  スイス生まれのパウル・クレーは,1930年にドイツで絵画作品「周辺ニ描ク(アド・マルギネム)」を制作した.この作品は,現在スイスのバーゼル美術館に収蔵されている.本稿はこの作品解説と長く続けているパウル・クレー研究ノートの断簡である.
キーワード

Paul Klee パウル・クレーの絵画 バーゼル美術館 スイス・ベルン市 吉田秀和

タイトル 〈研究ノート〉
デザイン科目の実践記録と考察(3)
A Practice of Design Subjects and Its Evaluation (3)
著作者 前田 夏樹
Natsuki MAEDA
ページ 87−97
概要  本学住居・デザイン専攻では平成14年度に,デザイン系科目の補強を目的に現在のカリキュラムが編成され,2年が経過した.本稿ではこれをさらに充実させるべく,授業実践の記録分析やアンケート調査をもとに検討し,平成16年度より実施予定の新カリキュラムの編成に至る過程を記すものである.アンケート調査の質問項目には資格,検定や専攻科に関する内容も含んでおり,将来的な住居・デザイン専攻の展開についてもあわせて考えたい.
キーワード

デザイン科目,実践記録,カリキュラム編成


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