研究紀要 50号
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第50号 2004年 12月01日刊行 紀要一覧へ
タイトル | 第50記念号発刊にあたって |
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学 長 | 山田 修平 Shuhei YAMADA |
ページ |
タイトル | パウル・クレーの絵画「ひとつの詩のはじまり」 A Study of Paul Klee’s Painting “Anfang eines Gedichtes” |
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著作者 | 石野 眞 Makoto ISHINO |
ページ | 1−6 |
概要 | パウル・クレーは,故郷スイスのベルンで1938年に絵画作品「ひとつの詩のはじまり」を制作した.この作品は,現在スイスのベルン美術館に収蔵されている,魅力あふれるクレーの代表作である.本稿は若き日に詩人をも志した画家パウル・クレーの詩と絵画について,創作のあり方と創作活動の初兆を示す作品について考察する. |
キーワード |
Paul Klee Kunstmuseum Bern パウル・クレーの絵画 ポンピドー・センター国立近代美術館 ベルン美術館 |
タイトル | わが国の「形式譚」について —稲田浩二・ほか『日本昔話通観』(同朋舎)を基に— Formula Tales in Japan—A Study based upon “Nihon Mukashibanashi Tsuukan” |
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著作者 | 酒井 董美 Tadayoshi SAKAI |
ページ | 7−16 |
概要 | 昔話を語っていると,聞き手が次々と新しい話を要求してくる.そろそろやめたいと思っても,聞き手がそれを承知しない.そのようなとき,語り手が話を中止するため,同じ語句を反復したり,意味のない内容を語ったりして,聞き手に「語り手はもう語ることをやめたいのだな」と,それとなく知らしめる.そのような種類の話型を「形式譚」と称する.本稿では,そのようなわが国の形式譚について考察したものである. |
キーワード |
形式譚 秀句譚 反復譚 果てなし話 昔話 |
タイトル | 精神健康調査票を用いた短期大学生の精神的健康に関わる要因の検討 A Survey on the Mental Health of Undergraduate Students:Using General Health Questionnaire Data |
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著作者 | 河村 壮一郎 Soichiro KAWAMURA |
ページ | 17−25 |
概要 | 短期大学生の精神的健康に関わる要因を検討するため,精神健康調査票(GHQ30)および生活状況や生活満足度に関する質問紙を用いた調査を行った.その結果,GHQの平均値は高い傾向にあり,症状者と判定される割合が多いことが認められた.GHQ得点との相関から,精神的健康度に自分自身や友人関係に対する満足度や相談相手の有無が関連していることが示された.また,GHQの有効性を高めるために質問項目や下位尺度の一部に修正の必要性が示唆された. |
キーワード |
精神的健康 短期大学生 GHQ 生活満足度 |
タイトル | 社会的ルールの適用に関する探索的研究 Research on an Application of the Social Rules |
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著作者 | 畠山 寛 Hiroshi HATAKEYAMA |
ページ | 27−31 |
概要 | 本研究の目的は,社会的行動の適切さの評価と評価の際の理由を明らかにすることにより,社会的ルールの適用について探索的に明らかにすることである.私立短期大学生248名を被調査者とし,エピソード内の親友,友人の行動の適切さを評定させ,その理由について述べさせた.その結果,エピソードから得られる状況の解釈の違いによって適切さの評価に違いがあることが明らかにされた.これにより,状況の解釈が異なれば社会的行動に適用される社会的ルールにも違いがみられることが明らかにされた. |
キーワード |
社会的ルールの適用 状況の解釈 社会的行動の適切さの評価 |
タイトル | 公立小学校における「総合的な学習の時間」が目指すもの —自己表現力の育成— The Purpose of the ‘Period of Integrated Study’ at Public Elementary Schools —Developing an Ability for Self—expression— |
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著作者 | 川口 康子 Yasuko KAWAGUCHI |
ページ | 33−41 |
概要 | 文部科学省は,公立小学校で実践されている英語活動を国際理解教育の一環と位置付けている.しかしながら小学校での取り組みの実態をみると,教科としての英語に相当する内容が多いことが指摘され,このような英語活動に対して賛否両論がある.そこで鳥取県下の公立小学校の実践例をもとにしてその内容と方法を分析し,改めて総合的な学習の時間に取り組むべき授業のねらいとあり方について検討を行い,英語の位置づけを提案する. |
キーワード |
総合的な学習の時間,国際理解,英語活動,コミュニケーション能力,自己表現力 |
タイトル | 異文化コミュニケーション教育の現状と課題(1) ~授業実践の点検を通して~ The Present Situation and Future Perspectives on Teaching Intercultural Communication (1) —Classroom Analysis— |
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著作者 | 杉本 千恵 Chie SUGIMOTO |
ページ | 43−51 |
概要 | 本稿では,異文化コミュニケーション関連の授業のあり方について,事前授業と実践的な交流活動とのつながりの重要性,交流活動といった体験型授業を導入する際の意義と留意点などについて,筆者の実際の授業実践内容と受講学生に実施したアンケートの結果を考察することによっての検討を試みた.また,授業実践の点検を通して見えてきた今後の異文化コミュニケーション教育の課題について若干の整理を行なった. |
キーワード |
異文化コミュニケーション教育 交流活動 理論と実践 |
タイトル | 保育者養成校の課題と問題点 —質問紙調査結果の分析から— An Investigation of Music Teaching within Early Childhood Education Departments —Using Questionnaire Data to Identify Persistent Problems— |
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著作者 | 羽根田 真弓 Mayumi HANEDA |
ページ | 53−62 |
概要 | 本研究は,学生と幼稚園を対象に行った「幼稚園教諭に求められる音楽的資質—保育現場と学生の比較調査をもとに—」(羽根田,2004)の継続研究であり,養成校でどのような音楽教育が行われているのか,質問紙調査によって明らかにしたものである.調査では,特にピアノ演奏技術習得に焦点をあてた.その結果,ピアノ演奏技術習得が最重要課題であり,同時に養成校の問題点であることが明らかにされた.併せて,保育者養成の歴史的変遷についても資料を概観した. |
キーワード |
ピアノ演奏技術習得 保育者養成 音楽的資質 |
タイトル | 幼・小接続教育の課題 —埼玉県S市の取り組みをてがかりに— Articulation from Pre—school to Primary Education —Education and Care 5 to 6 in S City in Saitama Prefecture— |
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著作者 | 渡部(君和田)容子 Yoko WATANABE(KIMIWADA) |
ページ | 63−71 |
概要 | 埼玉県S市は,小学校低学年における25人程度学級の実施など先進的な教育政策で知られる.S市教育委員会は,少人数学級のさらなる質的向上をめざして,平成15年度より5・6歳児に焦点をあてた幼小連携の取り組みを始めた.本稿では,現地での聞き取り調査をまじえてこの取り組みを検証し,関係者の共通認識づくり,子どもの自主性を育む環境構成や個別指導等の幼児教育・保育の視点を幼小連携に織り込むことを提言した. |
キーワード |
幼小連携 接続 小1プロブレム 少人数学級 保育所保育指針 |
タイトル | 鳥取県における介護支援専門員の業務実態と意識に関する調査 —全国との比較検討— An Investigation of Care Managers’ Working Conditions in Tottori Prefecture: A Comparison with the Investigation by the Japanese Council of Care Managers |
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著作者 | 井手添 陽 子 Yoko IDESOE |
ページ | 73−81 |
概要 | 介護保険制度施行3年で介護報酬の改定が行われた.それに伴う介護支援専門員の業務実態と意識を全国と鳥取県の調査から比較検討を行い,制度設定側の意図と実際の施行に携わる者の実態を整理してみる. 介護支援専門員の資質向上と地位の確立を図ることを目的として,全国介護支援専門員連絡協議会が設立され活動し始めている.居宅介護支援をめぐる課題がとりざたされているが,一方的に介護支援専門員の質を取り上げるだけでは解決できない課題もあると考えられる. |
キーワード |
介護報酬 居宅介護支援 評価 やりがい 悩み |
タイトル | 鳥取県内の組織キャンプに関する評価研究 —参加者の自己概念を中心に— Evaluative Research on Short—term Camp in Tottori Prefecture —Participants’ Self—Concepts— |
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著作者 | 近藤 剛 Tsuyoshi KONDO |
ページ | 83−91 |
概要 | 本研究の目的は,平成15年度に鳥取県内の2つの事業体において実施された組織キャンプの参加者(81名)を対象に,鳥取県内で実施される組織キャンプについて,参加者の自己概念に及ぼす影響を中心として,評価・検討することである.その結果,鳥取県内で実施された組織キャンプは,達成動機と努力主義に関連する自己概念が向上し,参加者の自己の発達,自己成長により良い影響を及ぼすものであることが確認できた.また,その変化には性差および参加者が認識するキャンプ中の体験内容により影響を受ける可能性が示唆された. |
キーワード |
鳥取県 組織キャンプ 評価 自己概念 教育効果 |
タイトル | 戦後家族法の出発点(3・完) —近代的・民主主義的家族法の確立— The Starting Point of Post—War Family Law (3・Final) |
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著作者 | 浜田 章作 Shosaku HAMADA |
ページ | 93−109 |
概要 | 明治民法の一部改正法として成立した戦後家族法の改正過程においては,戦前来の論議を引き継いで,「家」制度を中心にさまざまな立場からの主張と論戦が交わされた. その歴史的,理論的検討をとおして,戦前との「連続性」を踏まえつつも,法的にも社会的にも旧制度を廃棄して戦前との「断絶」の上に近代的,民主主義的な家族関係と家族法を確立しようとする川島武宜らの立場こそ,「戦後家族法の出発点」として確認すべき唯一の立場であることが明らかとなる. |
キーワード |
family law reform, family member’s civil rights, modern family |
タイトル | 鳥取県西部地震における住宅の生活再建についての 居住者意識に関する研究 —米子市安倍彦名団地の事例— A Study of Community Restoration after the Tottori—ken Seibu Earthquake —The Case of the Yonago Abe Hikona Apartments— |
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著作者 | 浅井 秀子 Hideko ASAI |
ページ | 111−119 |
概要 | 米子市安倍彦名団地は,中海に面した弓ヶ浜半島沿いの宅地造成地盤である.団地内では,液状化による噴砂で,戸建住宅の傾斜や,道路の変形や上下水道にも被害が生じていて,海岸沿いの軟弱地盤を埋立て造成した人工地盤の脆弱さが目立った地域である. この団地で行った意識調査では,約80%の住民において定住傾向がある.しかしその理由は,生活への利便性や持ち家志向等を優先している.震災を契機に,住民相互のコミュニティーは形成されつつあるが,根付くには時間がかかると考える. |
キーワード |
鳥取県西部地震 生活再建 公的支援 居住者意識 液状化 |
タイトル | 鳥取県N町立小学校高学年児童と保護者の栄養素等摂取状況および生活習慣アンケート結果 An Analysis of the Nutritional Intake and the Life Custom Questionnaire for Elementary School Children and Their Parents in Tottori Prefecture |
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著作者 | 野津 あきこ Akiko NOTSUY |
ページ | 121−131 |
概要 | 家庭,学校,地域をあげて,『食育』への取り組みが加速している.本研究は子どもの生活環境や食事状況を知ることで,食教育への活用のための基礎資料を作成し,さらに,父母,祖父母の3世代の食事状況から得られた情報で子どもの食を総合的に検討し,今後の食育指導に活用することを目的としている. |
キーワード |
児童 食習慣アンケート 栄養素等摂取状況 3世代 BDHQ10y |
タイトル | センサ搭載遠隔操作ロボットの設計 A Design for a Remote—Controlled Robot with Sensors |
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著作者 | 野津 伸治 Shinji NOTSU |
ページ | 133−140 |
概要 | この研究において,CMOSカメラと温度センサの二つのセンサを搭載し,無線LANのIEEE802.11gで遠隔操作できるロボットの設計を行った.設計の過程で実装のための試作を行い目的実現の問題点を明らかにした.それらは制御プロトコルの改善,モータ制御の変更,制御マイコンの多チャンネル化,制御モータの種類と数の変更などである.今後,ロボット製作コースのカリキュラム作成のベースにすると共に,応用面で独居生活者の遠隔コミュニケーションの補助ツールへと発展させていきたい. |
キーワード |
PIC ロボット センサ モータ制御 |
タイトル | 鳥取県中部地区におけるダイオキシン類の一日摂取量について The Amount of Dioxin Ingested Daily in the Central Area of Tottori Prefecture |
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著作者 | 横山 弥枝・野津 あきこ・池谷 政男 Yae YOKOYAMA, Akiko NOTSU, Masao IKETANI |
ページ | 141−149 |
概要 | 鳥取県中部地区で実施した栄養調査をもとに,個別食品のダイオキシン類汚染実態を把握することを目的にダイオキシン類の一日摂取量調査(トータルダイエットスタディ)を行った.調査の結果,鳥取県中部地区における食品からのダイオキシン類一日摂取量は120.00pg—TEQ/日,体重1?あたりのダイオキシン類一日摂取量は2.00pg—TEQ/?/日であった.ダイオキシン類摂取量が多く認められた食品群は第10群の魚介類,第12群の乳・乳製品,第11群の肉・卵類であった.性,年代および季節における違いは認められなかった. |
キーワード |
トータルダイエットスタディ ダイオキシン類 食事記録調査 食品群別摂取量 鳥取県 |
タイトル | 〈研究ノート〉 児童文化財を活用した保育実技の質的向上を考える A Study on the Improvement in the Quality of Early Childhood Education Training Using Cultural Materials for Children |
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著作者 | 齊木 恭子 Kyoko SAIKI |
ページ | 151−160 |
概要 | 保育の場では,絵本の読み聞かせ,紙芝居,手遊びなど,児童文化財を活用した保育実技が必要とされ,実習生にも例外なくその実技が求められる.初めての実習の場で保育実技がどのように展開されているのか,実習後に提出された学生のレポートから,実状を探った.練習の成果が発揮できなかったとする報告から,指導教員や同級生の目を意識した恥ずかしいという気持ち,話術の即興性の未熟さ,技術面への固執などが問題点として明らかになった. |
キーワード |
保育実技 児童文化財 教育実習 実習レポート 質的向上 |
タイトル | 〈研究ノート〉 子どもの心因性諸症状と家族関係 —相談者と母親との信頼関係— The Neuroses of Children and Their Family Relationships —The Rapport between Counselor and Mother— |
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著作者 | 中嶋 邦彦 Kunihiko NAKASHIMA |
ページ | 161−170 |
概要 | 小児科で教育相談をして多くの面談を実施してきた.来談者は圧倒的に母親が多いので,相談者は母親との信頼関係を築くことが何よりも優先される.そのためにはカウンセリングマインドに則って回数を重ねることが必要である.そうして構築された信頼関係は,当然双方が意識する関係でなければならない.にもかかわらず相談者側からの判断だけで進められた結果,面談が途中止めになった事例を取り上げ,改めて信頼関係の重要性と困難性を確認したい. |
キーワード |
教育相談 来談者 相談者 信頼関係 不登校 |
タイトル | 〈資料〉 鳥取県における養護学校義務制25年の成果と課題 —「特別支援教育」に向けた障害児教育の量的拡充の検証— Schools for Children with Disabilities in Tottori Prefecture, Japan:The Past 25 Years —Substantiating Quantitative Expansion in the “Special Support Education”— |
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著作者 | 國本 真吾 Shingo KUNIMOTO |
ページ | 171−181 |
概要 | 1979年4月,学校教育法施行以降未実施だった養護学校における義務教育が開始された.21世紀に入り,「特殊教育から特別支援教育への転換」が進行する中で,文部科学省は盲・聾・養護学校を障害種別によらない「特別支援学校」として再編する計画である.そこで本稿では,養護学校義務制から25年を経過した段階における,鳥取県の「特殊教育」基盤に関する量的拡充の様子と今後の「特別支援教育」体制への課題について検討した. |
キーワード |
養護学校義務制 障害児教育 特別支援教育 特別ニーズ教育 特殊教育 |
タイトル | 〈翻訳〉 イタリアの図書館利用案内 —調査,娯楽,研究のために—序論,第1章— A Guide to the Use of Libraries in Italy —Research and Entertainment—Introduction and Chapter 1 (tr. from the Italian text:Guida all’uso delle biblioteche;Ricerche svago studio come orientarsi nella lettura)— |
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著作者 | 宍道 勉 Tsutomu SHINJI |
ページ | 183−195 |
概要 | 序文には本書が「読書好きだが図書館のサービスや活動が分からない人のガイド」であること.第1章ではイタリアの図書館機構について国立図書館,地方公共団体図書館,保存専門図書館,大学図書館,機関付属図書館,学校図書館,児童図書館,盲人図書館,児童図書館,刑務所図書館,教会図書館などの具体例を挙げて紹介する. |
キーワード |
イタリア 図書館 利用案内 |
目 録 | 鳥取女子短期大学研究紀要目録 |
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号 数 | 第1号 ~ 第42号 |
ページ | 197−214 |
目 録 | 鳥取短期大学研究紀要目録 |
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号 数 | 第43号 ~ 第49号 |
ページ | 215−218 |