研究紀要 55号
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第55号 2007年 6月 1日刊行 紀要一覧へ
タイトル | 地域交流を通した学生教育プログラムの検討 —「くらよし国際交流フェスティバル2006」の実践から— A Study of Education Programs that Promote Cooperative Activity with Members of the Community —With Focus on the “Kurayoshi Inter-cultural Communication Festival 2006”— |
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著作者 | 荒井 優・池谷 千恵・國本 真吾・久山 かおる・高橋 千恵子 Masaru ARAI, Chie IKETANI, Shingo KUNIMOTO, Kaoru KUYAMA, Chieko TAKAHASHI |
ページ | 1−11 |
概要 | 文部科学省が実施する「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(「現代GP」)への申請を意識しながら,2006年10月に「くらよし国際交流フェスティバル2006」を実施した.この実施にあたって,大学と地域との関係はどうあるべきか,地域交流をフィールドにした学生教育とはどうあるべきか,について考察し検討した.また「くらよし国際交流フェスティバル2006」を通して,学生たちはどのように変化したかを分析し報告する. |
キーワード |
現代GP 大学の使命 社会貢献 地域交流 ソーシャル・スキル |
タイトル | 山陰地方における「特別支援教育」施策の進展—特別支援教育の本格実施を前に— The Progress of“Special Support Education”Policies in the San-in Region of Japan —The Execution of Special Support Education— |
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著作者 | 國本 真吾 Shingo KUNIMOTO |
ページ | 13−23 |
概要 | 「特別支援教育」が法制度として正式に位置づくのを目前とした段階で,山陰地方の各市町村教育委員会に対して,特別支援教育の現状把握の調査を実施した.文部科学省が主導で進めてきた政策に対して,地方自治の視点から各市町村がどのように努力を重ねているかが大きく問われる.しかし,市町村単位での特別支援教育に対する取組みは,理念に賛同するも具体的な自治体独自での施策としては,依然として少ない状態であった. |
キーワード |
特別支援教育 特別ニーズ教育 地方分権 地方自治 地方民権 市町村合併 |
タイトル | キャンプ経験による参加児童・生徒の特性共感性と向社会的行動 The Influence of Camp Experiences on Trait Empathy and Prosocial Behavior of Elementary and Junior High School Students |
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著作者 | 近藤 剛 Tsuyoshi KONDO |
ページ | 25−31 |
概要 | 本研究の目的は,小中学生の組織キャンプ参加と特性共感性,向社会的行動との関連について明らかにすることである.組織キャンプに参加した児童・生徒34名(男23名,女11名)を対象に調査分析した結果,(1)キャンパーの特性共感性は性差や日常の特性共感性の程度に影響されること無く,キャンプ直前から直後にかけて向上すること,(2)キャンプ期間中の向社会的行動の程度は,キャンプ初日は低いレベルに留まるが,日数が経つにつれて,その頻度が有意に増加していくことが示された. |
キーワード |
キャンプ経験 特性共感性 向社会的行動 |
タイトル | 「表現」の改訂によって保育内容における音楽活動はどのように共通認識されているか,その現状と今後の課題—幼稚園と保育者養成機関への質問紙調査の分析から— The Understanding of Music Activities in Infant Education in Light of Expressions —Based on Analysis of Data from an Investigative Questionnaire of Kindergarten and Kindergarten Teacher Training Courses— |
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著作者 | 羽根田 真弓 Mayumi HANEDA |
ページ | 33−40 |
概要 | 本研究では,領域「表現」における保育現場の音楽活動に対する認識について幼稚園を対象に質問紙調査を実施した結果,領域「表現」に対応した変化に乏しく,未だ共通認識なされていないことが明らかにされた.さらに保育者養成校においても保育内容「表現」の教授内容および方法が確立されていないことが質問紙調査から明らかとなった. |
キーワード |
表現 保育内容 領域 音楽活動 基礎技能 |
タイトル | わが国の認知症高齢者対策の現状と課題—都道府県第3次高齢者保健福祉計画(平成18年度~20年度)における認知症高齢者施策の分析— The Present Measures and Challenges in Dealing with Senile Dementia in Japan—An Analysis of the Measures of Senile Dementia in the third Health and Welfare Service Project in All Prefectures(18~20 of Heisei)— |
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著作者 | 久山 かおる Kaore KUTAMA |
ページ | 41−52 |
概要 | 高齢化の進展に伴って認知症高齢者の数は著しく増加し,20年後には現在の倍になると予測されている.地域の認知症対策における7都道府県の第3次高齢者保健福祉計画(平成18年度~20年度)のなかから,認知症高齢者施策を基に,認知症対策の現状と課題を分析し,(1)認知症高齢者施策が自治体により取組みが異なること,(2)地域の認知症理解のための啓発活動に遅れがあることがわかった. |
キーワード |
認知症高齢者対策 第3次高齢者保健福祉計画 高齢化率と認知症高齢者の現状 |
タイトル | エコフィード給与による豚肉の食味・官能テストについて A Flavor and Sensory Test of Ecofeed Salary Pork |
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著作者 | 永井 奈津子・野津 あきこ・松島 文子 Natsuko NAGAI,Akiko NOTSU and Fumiko MATSUHIMA |
ページ | 53−59 |
概要 | 近年,食品残渣を廃棄せず食品循環資源としてリサイクル飼料化(エコフィード)し,自給率の向上・コスト低減という観点から,有効利用への取り組みが進んでいる.本研究では企業と農業高校と大学が中心となってエコフィード給与豚肉について食味・官能テストを実施した.鳥取短期大学食物栄養専攻1年生の学生,その他一般男女のエコフィード給与による豚肉の食味・官能テストの結果を報告する. |
キーワード |
エコフィード リサイクル飼料 豚肉 食味・官能テスト |
タイトル | 鳥取県における魚介類利用の地域性と調理文化 The Regional Characteristics and Culinary Culture of Fish and Shellfish Use in Tottori Prefecture |
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著作者 | 松島 文子・板倉 一枝・横山 弥枝 Fumiko MATSUSHIMA,Kazue ITAKURA and Yae YOKOYAMA: |
ページ | 61−71 |
概要 | 鳥取県内で食されている魚介類の調理・加工の状況と調理文化の地域特性を明らかにすることを目的として,鳥取県における魚介類の種類,入手方法,調理およびその加工品の利用状況,食事での位置づけ,地域特性などについて調査した.その結果,利用魚種は94種に上り,いか・えび・あじ・かれい・かに・いわしなどの順によく食されていた.調理法としては煮物・生もの・焼き物などが多く用いられ,煮付け・さしみ・塩焼きなどの料理が多く認められた.各年代とも日常食としての利用が高く約9割を占めることが確認された. |
キーワード |
魚介類 利用実態 地域性 調理文化 鳥取県 |
タイトル | 〈研究ノート〉 子どもの心因性諸症状と家族関係—乳幼児期の基本的信頼感の形成— The Neuroses of Children and Their Family Relationships—The Formation of the Basic Reliance in the Infant Stage— |
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著作者 | 中嶋 邦彦 Kunihiko NAKASHIMA |
ページ | 73−79 |
概要 | 子どもが順調に成長発達していくためには,成長発達の法則に基づいた育児環境が必要である.文明が高度に発達した現代社会では,人間の自然的な成長が阻害される傾向があるので,親や大人がその条件を整備する必要がある.とりわけ乳児期および幼児初期の段階は,人生の基礎を形成する時期であるから重要である.筆者が実施している教育相談の中から,この時期の発達課題である基本的信頼感の獲得に必要な情緒の安定を図るスキンシップが少ないと感じられた事例を取り上げ,その重要性についてまとめた. |
キーワード |
乳幼児期 発達課題 基本的信頼感 情緒の安定 スキンシップ |
タイトル | 〈研究ノート〉 幼児期の手具を使った運動の発展 2.ボ−ル Method of Advanced Movements with the Use of Instruments for Preschool Children 2. Ball |
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著作者 | 松本 典子 Noriko MATSUMOTO |
ページ | 81−87 |
概要 | 子どもたちに身体の動きや姿勢への意識を高めさせ,また運動リズムの把握につながる具体的な方法の開発を目的として,手具を使った運動の展開方法について検討してきた.今回は幼児に最も人気のあるボールを取り上げ,前回に続き基本的な動きのパターンをもとに感覚発達を目指すバリエーションと発展型について追究した.あわせて保育者養成課程学生への学習素材としての活用も目指す. |
キーワード |
運動方法 身体感覚・運動感覚 運動リズム ボール |
タイトル | 〈研究ノート〉 もうひとつの遠隔介護 Another Care from a Distant Area |
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著作者 | 山田 修平 Shuhei YAMADA |
ページ | 89−94 |
概要 | 老親や肉親の介護は誰にとっても身近な問題である.同居して日常的に介護に関わる場合もあれば,施設入所という選択肢もある.しかし,親子が遠隔地に住み同居はできない事情があり,施設での生活は親が望まないというケースも多々ある.こうした場合に,老親をどのように介護するのか,あるいは生活の支援をするのかは,多くの働く世代の課題である.遠隔地からの介護の具体的ありようを模索する. |
キーワード |
核家族化 要介護度 遠隔介護システム 3つの交流 地域密着型小規模多機能施設 |
タイトル | 〈翻訳〉 イタリアの図書館利用案内 調査,娯楽,研究のために(3)第2章:検索と目録,第6節;件名目録,分類目録 第3章:図書館サ−ビス,第1節 閲覧,第2節 貸出 Guide for the Use of Libraries in Italy(3):Chapter 2:Search and Catalogues, Chapter 3:Library Service |
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著作者 | 宍道 勉 Tsutomu SHINJI |
ページ | 95−110 |
概要 | 前回第2回はこのガイド(イタリア語原題:Guida all’uso delle bibliotece; Ricerche svago studio come orientarsi nella lettura)の第2章で利用者はその目的に応じてどのように図書館を選べば良いのかを示す.続いて図書館における情報検索とその手段である目録(カード)について,利用者が図書館で資料を探す際の手がかりを紹介した.今回は目録カードで最も有用だが検索に手強い件名目録と分類目録を紹介し,その後利用者にあまり知られていない図書館サービス,中でも閲覧室,貸出に就いて述べる. |
キーワード |
イタリア 図書館 利用案内 |
タイトル | 〈作品〉 パウル・クレーの主題による作品Ⅱ A Work Based on Paul KIee's Theme Ⅱ |
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著作者 | 石野 眞 Makoto ISHINO |
ページ | 111−114 |
概要 | クレー作品に内在する詩的で音楽的なテーマを考察するともに,色と形の言葉による造形言語と造形思考による素晴らしいパウル・クレーの表現世界を私自身の表現に問いかけることは,生涯にわたる研究と制作の課題である.ここでは,日本基礎造形学会と倉敷市立美術館での作品発表について記す. |
キーワード |
パウル・クレー 中村二柄 日本美術教育学会 日本基礎造形学会 倉敷市立美術館 |
タイトル | 〈作品〉 A Moment |
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著作者 | 前田 夏樹 Natuki MAEDA |
ページ | 115−116 |
概要 | 本作品では鑑賞者に対し,作品上における「瞬間」の存在を意識させることをねらいとした.そのための表現方法の工夫として,漫画や映画に見られる「コマ」という形態を取り入れた. |
キーワード |
瞬間 時の流れ コマ 異なる視点 |
タイトル | 〈論文〉 中世「なぞなぞ」の発想法について Methods of Conception of Riddles in the Muromachi Period |
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著作者 | 岡野 幸夫 Yukio OKANO |
ページ | 117−126 |
概要 | 室町時代の「なぞなぞ」本『なそたて』に見られる「なぞなぞ」を、発想法の観点から分類し、考察する。その結果、「なぞなぞ」の問題文中の文字列を「操作」することで答が得られる発想法によるものが最も多いことが判った。また、平安時代の「なぞなぞ」の発想法とはかなり様相が異なっていることも判った。 |
キーワード |
なぞなぞ 室町時代 『なそたて』 発想法 |
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