研究紀要 57号

本学研究紀要は図書館本学関係資料コーナーに常設しております。
館外への持ち出しは出来ませんので、図書館内にてご利用下さい。

第57号 2008年 6月 1日刊行    紀要一覧へ
タイトル 鳥取県中部圏域における幼稚園児,保育園児の生活実態
Research of Actual Conditions of Children’s lives at Kindergarten and Preschools in the Middle Area of Tottori Prefecture
著作者 近 藤   剛
Tsuyoshi KONDO
ページ 1-9
概要  本研究の目的は,鳥取県中部圏域で生活する3~5才の幼稚園児(63名),保育園児(92名)の生活状況を把握し,幼児の健康生活指導の基礎資料を得ることであった.その結果,鳥取県中部圏域の保育園児の平均就寝時刻は21時30分で,幼稚園児より30分遅い時刻に就寝していること,また平均睡眠時間は幼稚園児,保育園児の間では有意な差は認められず,10時間以上の睡眠時間が確保できない幼児が6割以上存在するなど,幼児期の生活実態としては好ましくない現状が認められた.一方,増加傾向にあるといわれている22時台の就寝時刻の割合は5%未満と非常に少ないことなどが明らかとなった.
キーワード

保育園児 幼稚園児 生活実態調査 鳥取県中部圏域

タイトル 幼児の集団歌唱にみられる「どなり声」の実態(1)
―ピアノ伴奏・指導者の声かけとの関連―
A Study of Children’s Shouting Voice in Group Singing(1)
―In Relation to Piano Accompaniment with the Prompting of a Teacher ―
著作者 羽根田 真 弓
Mayumi HANEDA
ページ 11-19
概要  幼児の歌唱行動にみられる「どなり声」の定義は曖昧であり,これまで明らかにされていない.どのような声を「どなり声」と考えるのか,聞き手によって質的な定義が異なるのかに着目して5歳児の集団歌唱の印象評価実験(SD法)をおこなった.その結果,ピアノ伴奏と担任が同席することは子どもたちの「どなり声」を誘発することが明らかにされた.さらに,元気で明るいという判断は,うるさくてきたないと受けとめられる可能性を含み,これらの判断軸は非常に近いと指摘できる.
キーワード

歌唱行動 どなり声 印象評価実験 SD法 ピアノ伴奏

タイトル 自己表現のための「おべんとう絵本」
“The Lunch Pack Picture Book” for Self Expression
著作者 宮 崎 百 合
Yuri MIYAZAKI
ページ 21-28
概要  保育内容「表現3」では造形を通した表現活動を行っているが,年を追うごとに学生の「自己を表現する」力が弱まってきていると感じていた.そこで,言葉での表現を伴う絵本に注目し,長谷川集平氏考案の「おべんとう絵本」を取り入れて制作を行ったところ,それまで見えてこなかった学生個人の「自己」が表出する作品が多くみられた.そこで,この活動において見えてきた学生の「自己認識」について考察する試みを行ったが,予想外の深層心理が表出することもあり,今後の課題として慎重に取り扱わねばならないとも感じている.
キーワード

おべんとう絵本 絵本制作 造形表現

タイトル 地域密着型サービスの質の確保・向上とサービス評価(1)
Secureness of Care Service Quality and its Evaluation (1)
著作者 井手添 陽 子
Yoko IDESOE
ページ 29-37
概要  認知症対応型共同生活介護は,他の介護保険サービスにはない自己評価・外部評価が義務づけされている.この目的は,急増した認知症対応型共同生活介護のサービスの質の確保・向上を図ることである.現行の外部サービス評価が質の確保・向上に有効性があるかどうかを検証してみる必要がある.2006年に地域密着型サービスとして位置づけられ,サービス評価の方法の見直しが行われた.本研究では,見直し前と後の評価のあり方を比較検討し,その上で,有効性について考察をする.
キーワード

自己評価の活用 気づき 評価の有効性 評価の課題

タイトル 日常食品の食品名の認識に関する調査研究    
Research on Recognition of Food Names in Daily Life
著作者 亀 崎 幸 子
Sachiko KAMEZAKI
ページ 39-43
概要  食物栄養専攻の学生を対象に,日常的に使用されている35食品の食品名の認識度を調査した結果,全問正解者は2.1%とわずかであり,9割を正解した者は65.7%であった.イカ,エビ,カニ,じゃがいも,さつまいも,大根,玉ねぎ,ニンジン,ブロッコリー,白菜,ナス,トマト,ピーマンは全員が正解したが,正解率の最も低い食品はさやいんげん,次いで小松菜,イワシ,ハマチであった.全体的にみると,肉類やいも類,野菜類に比べて魚類の正解率が低かった.
キーワード

日常食品 食品名 食物栄養専攻学生 認識度

タイトル 鳥取県における魚介類の伝統的郷土食と地域特性
Traditional Local Cooking and Regional Characteristics of Fish and Shellfishes in Tottori Prefecture
著作者 松 島 文 子・板 倉 一 枝・横 山 弥 枝
Fumiko MATSUSHIMA,Kazue ITAKURA and Yae YOKOYAMA
ページ 45-55
概要  鳥取県における魚介類の伝統的郷土食および行事食について,その特徴と地域特性ならびに行事との関連性などについて調査した.魚介類の伝統的郷土食は,かに汁,かに飯,いか飯,さしみなどの全調査地域に共通するものとその地域独自の特性を有するものがあり,これらの多くは伝統的に受け継がれ現在も一般家庭で食されていることが確認された.行事との関連性は,正月・祭事・祝事等においてみられ,旬の魚介類を用いた特別のご馳走をつくる慣しが継承されていた.
キーワード

魚介類 伝統的郷土食 地域特性 調理文化 鳥取県

タイトル 〈研究ノート〉
学生の地域活動への参加意欲に関する考察
―「第11回因幡の手づくりまつり」アンケートから―
A Study of College Students’ Motivation for Participating in Regional Activities
―From the Questionnaires of “The 11th Inaba Handmade Festival”―
著作者 杉 本 真由実・板 倉 一 枝・國 本 真 吾
Mayumi SUGIMOTO, Kazue ITAKURA, Shingo KUNIMOTO
ページ 57-64
概要  地域活動への参加を通じた学生教育の在り方を深めるにあたり,本稿では「第11回因幡の手づくりまつり」に学生スタッフとして参加した学生対象の調査から,特に満足度や参加意欲といった主体形成の要因となりうる項目の分析を行った.結果からは,活動における交流経験の効果や,集団編成の工夫といった内容が,参加の満足度や次回への参加意欲を高める要因として明らかとなった.参加の段階の高次化を通じた主体形成を考える上でも,これらの結果を踏まえた条件整備が求められる.
キーワード

学生教育 地域活動 参加意欲 参加・参画 大学生

タイトル 〈研究ノート〉
幼児期の手具を使った運動の発展
4.空き箱/クッション
Method of Advanced Movements with the Use of Instruments for Preschool Children
4. Empty Box/Cushion
著作者 松 本 典 子
Noriko MATSUMOTO
ページ 65-70
概要  今回は,家庭内にある箱とクッションを取り上げ,手具と同様の視点から運動に利用する場合の特性を明らかにし,導かれる運動内容とその効果についてまとめた.空間感覚と力の感覚を合わせること,姿勢感覚や集中力を養うことにつながる運動方法が工夫できることをあげた.
キーワード

運動方法 運動効果 感覚 日用品 特性

タイトル 〈研究ノート〉
地域におけるボランティア活動を通しての学生の学び
―「ぽかぽか交流会」の活動を振り返って―
College Students’ Learning through Volunteer Activity Work
―Activities in “Pokapoka Exchange”―
著作者 久 山 かおる
Kaoru KUYAMA
ページ 71-80
概要  鳥取短期大学幼児教育保育学科における授業「特別研究:(地域とボランティア)」を履修した学生たちが,地域でのボランティア活動の実践として「ぽかぽか交流会」を開催した.本研究は,「ぽかぽか交流会」運営に関する学生の記録物等を振り返り,学生が企画・運営する経過の中からどのような学びをしたかを考察した.その結果,学生が主体的に企画・運営したことにより社会性や,コミュニケーション能力などが向上したこと.また向上には地域の教育力も大きく影響していることが明らかになった.
キーワード

ボランティア 特別研究 コミュニケーション力 地域の教育力

タイトル 〈翻 訳〉
イタリアの図書館利用案内
―調査,娯楽,研究のために―(4)第4章,第5章
Guide for the Use of Libraries in Italy (4)―Chapter 4, 5―
著作者 宍 道   勉
Tsutomu SHINJI
ページ 81-92
概要  既に述べている通り,このガイドの対象は専門家でなく,一般向けに図書館を紹介するものである.今回は,図書館で働いている人,図書館にはどんな資料があるかを紹介する.次に図書館の現在と未来について,コンピュータ化とネットワーク化の重要性を説く.本書(原書)の発刊から20年を経ているので内容は古いが,イタリアの図書館思想を紹介することにより,その存在意義を改めて考えさせてくれるものである.
キーワード

イタリア 図書館 利用案内

タイトル 中世なぞから近世なぞへ
The Development of Medieval Riddles in the Edo Period
著作者 岡 野 幸 夫
Yukio OKANO
ページ 93-104
概要  なぞなぞの発想法に注目して、三段なぞがなぜ、どのように成立したかについて考察した。その結果、三段なぞは、なぞなぞの享受法(遊び方)の変化を要因として、「連想」を用いた二段なぞをもとに、「連想」のプロセスをもう一つ増やすことによって成立したことを主張した。また、なぞなぞと絵との関係についても若干述べた。
キーワード

なぞなぞ  発想法  二段なぞ  三段なぞ  享受


Facebook twitter



fixedImage
ページトップ