助教 山川 智馨

1.教育に対する責任

私は本学において、主に音楽を担当している。授業では提出課題に対して1人ひとりにコメントしたり、個別指導したりすることで、フィードバックに努めている。ピアノレッスンでは音楽経験や理解度などが多様な学生1人ひとりの状況に応じて指導に当たっている。また、一対一の個人レッスンという性格上、対話や指導をとおして一斉授業では見えにくい学生把握に努めている。

学校法人藤田学院ホームページ「教員紹介2023」

2.教育の理念

私は、本学の教育活動において、以下の3点を重視している。

1) 保育者に求められる音楽の基礎的な知識と技能を習得する
2) 将来保育者となる学生自身の表現力を育む
3) 目標に向かって自ら考え、努力する力を育む

3.教育の方法

上述の教育理念を達成するため、例えば2年次前期の資格選択必修科目「音楽3」では、次のような授業を行っている。
この科目では、手遊びの年齢別アレンジや、保育・幼児教育の現場で取り入れたいコード伴奏等について教授し、保育場面に活用できることを目標としている。手遊びについては、音楽的発達と身体的発達をふまえた仮説をもとに各年齢に見合った手遊びを選出し、その理由も説明できるようにする。そのうえで、それらの手遊びを別の年齢向けに遊び方をアレンジしたり、関連する遊びを同時に考えたりすることで、実習に備えられるような内容となるよう心掛けている【ワークシート】。また、これらの一連の活動は単に個人で考えるだけでなく、履修生同士のグループワークやディスカッションを取り入れている。成績評価は、ピアノ実技40%、コードネームによる弾き歌い40%、授業態度10%、提出物10%を合計して行っている。
ピアノレッスンについては、表面的なミスを指摘するのではなく、「なぜそうなってしまうのか」という原因を伝え、改善点や練習方法などについて手本を示して伝えている。また、「今の演奏は自分ではどう思うか」と問いかけることで良かった点や反省点について学生自身が自分の言葉で振り返るほか、動画で撮影して自分の演奏を客観的に聴いたり、グループ内で発表会を行ったりする機会を設けている。さらに、これまでの座学の授業で扱われた内容についてレッスン時に確認を行うことで、知識の定着や読譜力の向上を目指している。こういった時間は、一斉授業では質問しにくい学生にとって有意義であるほか、どの学生にとっても知識と技能を結び付ける機会となることが期待できる。

鳥取短期大学ポータルサイト「シラバス検索」

4.学生による授業評価

2021年度に実施した授業は履修人数が少数だったことから、授業評価アンケートは受けていない。前任校での授業評価アンケートは、質問項目によって回答項目の表記が異なるが、①強くそう思う、②そう思う、③そう思わない、④全くそう思わない、等の4段階で評価をされた。
前任校での音楽に関する2020年度の授業アンケートの結果は、授業の難易度(Q5)について「難しい」という回答が57.1%と半数を超えたものの、「教員は分かりやすい、理解しやすい話し方をしていましたか?」(Q6)、「教員の授業に対する熱意を感じましたか?」(Q7)、「この授業を受けて知識は深まり、技術(能力)は高まりましたか?」(Q8)という項目では、いずれも全員から「強くそう思う」「そう思う」の回答を得られた。基準値や平均値は未集計のため示すことはできないが、これらの結果はおおむね良いものであると捉えている。課題としては「この授業に意慾的に取り組みましたか?」(Q3)という項目で「あまり意慾的ではなかった」の回答が14.3%であったことが挙げられるが、改善をはかり、本学においても、同じように、あるいはそれ以上に評価をいただけるよう精進したい。
参考までに、【前任校での授業評価アンケートのうち、上記科目に関する結果(原本)】を添付する。

5.教育改善への取り組み

学内で開催されるFD研修には欠かさず参加している。また、授業公開等で他の教員の使用教材や学生への毎回の働きかけ方、説明の仕方などについて、大変参考にさせていただいている。これらの経験を重ねることで、次年度以降のシラバス作成に生かしている。
授業においては毎回の学生の様子から、説明がわかりにくかった点や理解が難しい点などを把握し、説明方法や板書についてすぐに改善を図るようにしている。今後は授業評価アンケートの結果もふまえて次年度以降に反映させていきたい。

6.今後の目標

1) 短期的な目標
  1. 弾き歌いや手あそびなど、学生が音楽あそびに関するレパートリーを増やすこと
  2. 保育・幼児教育の現場と連携した音楽あそびや子どもの発達に関する知識・技能の習得
  3. 上記①②が実現できるような授業の構築および展開
2) 中・長期的な目標
  1. 保育・幼児教育の現場と連携し、地域に貢献できるような教育内容の実践
  2. 自らが設定した課題に対して主体的に学び、努力することができる保育者の養成
最終更新:令和4(2022)年6月29日

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