准教授 宮﨑 百合
1.教育に対する責任
私は本学において、主に美術教育を担当している。中でも特に「子どもの造形」について、「みる」「かく」「つくる」等実践を多く取り入れながら教育している。
2.教育の理念
私は本学の教育活動において、以下の3点を重視している。
3.教育の方法
上述の教育理念を達成するため、例えば1年次前期の資格必修科目「子どもの造形指導法Ⅰ」では、次のような授業を行っている。
まず子どもの造形発達の流れを押さえ、それに沿った造形活動を体系的にとらえていく。そして保育計画の事例を基にして教材研究をし、実際に製作しながら保育士としてどのように子どもたちとかかわれば豊かな造形表現をつくりだすことができるかを考える。演習を通して得られた気づきを振り返り、最終的には指導案を作成して、1年次後期以降の実習に備えられるような内容となるよう心掛けている。
成績評価は、製作物・レポート等の提出物90%、授業態度(製作等の準備物、授業に対しての積極性など)10%を合計して行っている。
4.学生による授業評価
2025年度の授業評価アンケートにおいて、1年次前期の資格必修科目「子どもの造形指導法Ⅰ」では以下の5項目で平均以上の評価であった。(該当授業/演習平均)
「授業の内容に興味を持つことができた」(3.64/3.55)
「毎回の授業で学習の目的や目標がはっきりと示されていた」(3.71/3/58)
「各種教材・教具の活用により、授業が分かりやすかった」(3.58/3.58)
「授業内容の進み具合は適当だった」(3.59/3.54)
「総合的に授業内容に満足した」(3.64/3.54)
一方で、「予習・復習に積極的に取り組んだ」(3.15/3.26)は全11項目のうち一番平均を下回った。全15回を通して学びを積み上げていく授業の組み立てを意識させる必要性を感じる。
5.教育改善への取り組み
授業においては、造形の演習という特質から、学生による進度の差が大きく、また表現の自由度も高いため、個々の満足度を高める授業の在り方について悩むことが多い。しかし子どもの造形表現は保育者の経験の豊かさが必要とされるため、できるだけ実践的な内容となるよう、研修などで教材研究をして、授業に活かすように努力している。教材研究と指導案作成をセットにすることに加え、今年度は添削指導を繰り返し、学びがしっかり身につくよう改善を試みた。
6.今後の目標
1) 短期的な目標
- 学生が、子どもの発達に即した画材・道具の扱いを身につけること
- 学生が、実習に活かせる造形活動の指導案作成と実践ができるようになること
2) 中・長期的な目標
- 科目間の連携
本学科の大きな特徴として、保育士資格・幼稚園教諭二種免許状の取得を目指すことが大きな柱となっている。そして、資格取得のために2年間で5つの実習が行われる。この実習を通して保育者としての総合的な力を育成できるよう、各科目が連携して効果的な学びとなる授業を作り上げることが必要と考えている。


